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『LAGAVULIN』
前回のホワイトホースの記事の中で触れた「ラガヴーリン」。
今回はこちらを紹介します。
強いピート香と潮の香り、そして重厚な酒質が特徴のアイラモルト。
オフィシャルは16年物が主流です。
下の写真は「ダブルマチュアード」いわゆる二段熟成。
別の種類の樽に移して「後熟」させる方法で造られたウイスキー。
「ペドロヒメネス」という極甘口のシェリー酒を作った樽で後熟します。
16年は空でした。
ニューボトルもありますが、このブログのために開けるのも…。
そこでダブルマチュアードの方をティスティングしてみます。
ちなみにこちらも1995年蒸留、2011年瓶詰なので、概ね16年の熟成になります。
まずはストレートで。
色はやはり赤褐色が濃いです。
香りはピート香は感じますが、16年物よりは弱いようです。
シェリー樽の効果か、甘美な香りが強いですね。
味を見ます。
ドライでピーティーな部分と、甘く甘美な部分が、個々に主張している感じ。
いまいち相乗効果が発揮できていない印象です。
そして加水して味の変化を見ます。
加水のより、舌触りがとても滑らかで、円やかな印象が強まります。
また、アルコールの強さの陰に隠れていた果実香も顔を出します。
・・・・・
「甘美なラガヴーリン」と称されるダブルマチュアードですが…。
そこは「スペイサイド」のウイスキーに任せておけばいいのではないか?
アイラモルトに期待すること…。
「ドライでピーティー、スコットランドの荒々しい海や島々を連想させるテイスト」
だと思うのです。
そういった部分がシェリー樽フィニッシュによりだいぶ失われている気がします。
と言うより、個性の強いもの同士がお互いに主張しあって、足を引っ張りあっている。
そんな印象が拭えません。
美味しいのですが…。やっぱりちょっと違うな~、と感じてしまうのです。
大好きな「ラガヴーリン」だけに辛口になりましたが…。
オフィシャル16年物は自分が一番好きなシングルモルト、
と言っても過言ではありません。
本日もお読み頂き、ありがとうございます。