K's MENU Note

シングルモルトに純米酒、そしてカクテル。

『磐城 寿(山形)』大震災から再起した「海の男酒」。

今日は3月11日。

東日本大震災から丸7年が経った。

この日にぜひ紹介したいお酒がある。 

f:id:kimama2016:20180222091008j:plain

元々は福島県浪江町にあった「鈴木酒造店」

東日本大震災で大きな被害を受けた。

蔵が倒壊し、酒造りができない状態に陥った。

途方に暮れるところだが、一つの光明が…。

検査のために福島の試験場に預けていた「酵母」が、奇跡的に残っていたのだ。

ここから再起への第一歩を踏み出すことになる。

 

各地の蔵を回っていたところ、ある話しを耳にする。

山形県長井市にある東洋酒造が、後継者がおらず酒造りを断念したとのこと。

そこでこの蔵を買い取り「鈴木酒造 長井蔵」として再起をはかるのだ。

 

・・・・・

 

海に一番近い蔵として、代々酒造りを行ってきた鈴木酒造。

「海の男酒」として、地域に根付いていた。

蔵の想いがHPにあったので引用する。

人とのご縁を興し、温め、繋げること。

東日本大震災を経験し、故郷と暮らしを失った私たちにとって

これは復興、そして文化承継に向けた命題です。

 

「磐城寿」と「一生幸福」という二つの祝い酒ブランドが、

「真の祝い酒」と「歓び分かち合いの酒」となるよう、

人が集い、想いを伝える場づくりは勿論のこと、

長井と浪江の二つの故郷の次代への繋ぎ役として全うすることが

私たちが造る「酒」という力水に寄せる思いです。

 

・・・・・

 

すっきりした中にも、米の旨みを感じる純米酒

程よい酸味。繊細な口当たり。

「海の男酒」からイメージする荒々しさは感じない。

とても優しい、味わいのあるお酒。

ぬる燗にすると米の旨みが膨らむ。

熱燗にしても、味のバランスが崩れず美味しい。

燗にした方が「海」を連想する。

どんな料理とも合いそう。

ちょっと早いが、来年の正月はこのお酒にしようかな。

「真の祝い酒」「歓び分かち合いの酒」として、家族と味わいたいものだ。

 

日本酒党の常連さんの声

何の事前情報も無く飲んでもらったが、

「まっすぐで、男らしい力強さを感じる。

漁師さんが飲むような…。日本酒らしい日本酒。」

そんな感想を頂いた。

まさに「海の男酒」の真骨頂である。

 

・・・・・

 

自分にできることは「東北のお酒をお勧めすること」くらい。

お酒の味わいだけではなく「蔵の想い」なども伝えて行きたい。

 

そして、一日も早い東北の復興を願っている。