K's MENU Note

シングルモルトに純米酒、そしてカクテル。

『黒牛(和歌山)』万葉集に詠まれた地で醸される酒。

昨夜、こんな注文があった。

「一番最近、栓を開けた日本酒を下さい。」

鮮度にこだわる人なのだろう。

で、お出したのがこちら。

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未開栓だったので、まさに開けたて。

面白いこだわりを持つ人もいるものだ。

開栓後、しばらく経ったものも、逆に美味しかったりするのだが…。

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造るのは和歌山県海南市黒江の「名手酒造」

和歌山県の北西部、淡路島を臨む和歌山湾沿いにある。

kuroushi.co.jp

「黒牛」の名前の由来

万葉の昔、蔵の周辺は美しい入江だった。

多数の岩が点在する中、ひとつの大きな岩が黒い牛に見えたらしい。

そのため、当時この場所は「黒牛潟」と呼ばれていた。

現在の町の名前「黒江」は、それを由来とする。

「黒牛潟」は万葉集にも詠まれているそうだ。

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今回は蔵の定番純米酒。 

麹米には、50%まで磨いた山田錦を使用。

掛米は、酒造好適米を60%まで精白。

日本酒度+4、酸度は1.6。

さて、その味わいは?

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穏やかで落ち着いた香りの中に、しっかりした旨みが感じられる。

どっしりとして濃厚ながら、果実のようなフレッシュさも。

味わいの幅が広い、深みのあるお酒。

 

このようにしっかりとした味わいの酒は好みのタイプだ。

冷でも十分に旨みを感じられる。

次は常温~ぬる燗でも試してみたい。

夏場は若干、酒質を重く感じるかも知れないが…。