この時点で店に置いてあるブレンデッドスコッチで、最後の紹介になる。
ブレンデッドだが少々毛色が違う。
3つのモルトをブレンドした「トリプル モルト ウイスキー」だ。
※ウィリアム・グランツ社所有の「グレンフィディック」「バルヴェニー」「キニンヴィー」
名前の由来。
ウイスキー造りの工程に、木製シャベルを使ってモルトの撹拌を行う辛い作業がある。
その時に肩を痛めてしまうことが多く、それを「モンキーショルダー」と呼んだ。
なぜモンキーなのかは不明だが、悪い意味ではなく敬意をこめた呼称らしい。
そこからこの名前が付けられた。
お店での苦い思い出。
ある夜、ひとりの女性が飲みに来た。
「ここは飲みやすくてボトルが可愛いモンキーショルダーだ!」
「ここに3匹のモンキーが居てね」
「え~、可愛い~」
「この3匹は、3つの蒸留所を表していて…云々」
そんな会話になるはずが…
「あ、モンキーですね!好きです。」
って、知ってるのか~い!
そんなにメジャーではないのだが。
どうやら、行きつけのダーツバーにあったとのこと。
ここぞとばかりにお出しして、恥ずかしい思いをした苦い過去だ。
確かにクセがなく優しい味わい。
シンプルにとても飲みやすい。
果実感(グレンフィディック由来か)、バニラ感などが感じられる。
しかし…
どうも薄っぺらい感じがするのだ。
モルト原酒のヴァッティングなのに、それぞれの個性が活きていない。
加水しても味が広がらず、奥行きが浅い印象を拭えない。
個性を楽しむなら
「グレンフィディック」「バルヴェニー」をシングルモルトで飲んだ方がいい。
ブレンドと考えるなら…
12年物のブレンデッドスコッチを飲んだ方が、割安だし飲みごたえがある。
いまいち、このお酒のコンセプト
ネットを見ていたら、どうやら
「若い人のGate Wayになるウイスキー」を目指して造られたらしい。
ならば、もっとリーズナブルにして…
若い人が気軽に楽しめるものにしたほうが良かった気がするが。
どっちつかずになってしまった印象。
・・・・・
辛口の評価になったが…
初心者にはおすすめできる一本だ。
ただしどう売っていくか、ひと工夫が必要である。
(追記)昨今のウイスキー価格高騰の中では、それほど高くは感じないね。
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