前回に続き、本格焼酎。
ボトル以外では一番注文の多い銘柄。
これもラベルの印象が強い。
黒地に赤文字。躍動感のある字体。余計な文字も絵も一切無し。
前回の記事で「蒸留方法」について書いた。
この赤兎馬は原料の風味がしっかり残る「常圧蒸留」
(それにしては芋感が無い。詳しくは後述。)
麹はスッキリとした仕上がりになる「白麹」
原料のさつまいもは、厳選された良質の「黄金千貫」
そして仕込み水は、鹿児島県特有の火山灰土(シラス台地)の地下数百メートルから湧き出す天然水を使っている。
やはり良質の原料と水。酒造りには欠かせないものだ。
熟成にもこだわる。
原酒をゆっくりと寝かせたあと、仕上げに力強い若い原酒をブレンドしている。
ストレートで。
まず、香りが強い。
が、いわゆる芋焼酎特有のクセのある香りではない。
もっと華やかで、上品な香り。
フルーティな果実様の香りもある。
口に含むと、すっきりとした飲み口で、甘さも上品。
爽やかで「ホントに芋か?」と感じる。
常圧蒸留だと、もっと芋感が強く出るのでは?と思うのだが…。
蒸留方法だけで風味が決まる訳ではないのだろう。
何か、ハイランドのフルーティでスッキリしたシングルモルトを思わせる味わい。
(この印象は私だけか?)
加水( 1 : 1 )してみる。
度数が下がる分、飲みやすくなる。
柔らかい口当たり。優しい甘み。
ただし印象が弱まり、全体的に少々ぼやけた感じになる。
お酒に強い人は、ストレートで試して頂きたい一本だ。
・・・・・
とても上品でフレッシュ、フルーティで気品あふれる芋焼酎。
芋焼酎が苦手な人でも、おいしく飲めることだろう。
反面「芋焼酎のクセのある味わいが好き」という人には物足りないかも。
もはや少数派になりつつあるようだが…。
ちなみに「赤兎馬」の名前は…
「三国志」に出て来る「一日に千里走る」と言われた名馬から付けられている。
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