滋賀県の「美富久酒造」が立ち上げたブランド「三連星」
名前の由来は「三」が連なる星のように輝き続けるお酒を目指す。
- 30代、3人の蔵人を中心に
- 3種類のお酒を、それぞれ3タイプ造る
- 過去3代の蔵元に敬意を表する
元祖「トリプルスリー」か(笑)
その10周年を記念して発売されたのが、こちらの5年熟成酒。
個性的なラベルデザイン。
画像では分かりづらいが、レインボーに輝くのだ。
スペックは…
使用米は、滋賀船渡六号。精米歩合55%。
日本酒度+3、酸度1.8。
純米吟醸原酒を氷温冷蔵庫で5年間熟成。
その後、加水/火入れして瓶詰め。
その味わいは…。
熟成の効果か。香りは穏やか、やさしい味わい。
それでいて、味わい深い、奥行きのある旨みが広がる。
常温、ぬる燗でさらに旨みがふんわりと広がった。
そして飲んだ後、熟成特有の香りが鼻腔に残る。
強すぎず、穏やかな熟成香が心地よい。
同じ熟成酒とはいえ、以前紹介した花巴とは全く違う、優しい味わい。
花巴の方が特殊なのだろう。
日本酒の熟成効果は?
「熟成により旨くなる」お酒に対する一般的な認識だ。
日本酒はどうなのか?
専門家の意見を簡単にまとめると…
- 造りたては荒々しいお酒が、熟成により角が取れて円やかになる。
- 造りのしっかりした純米酒は、熟成することでさらに旨味を増す。
- 造りの基本を疎かにした酒は弱く、熟成しても旨くならずに、むしろヘタる。
- 熟成酒を燗でやるのが本来の味わい方で、搾りたての生酒は半製品レベル。
そんなところ。
ただ、熟成の効果を十分に感じるのは、なかなか難しい。
やはり熟成「前」の状態と飲み比べないとよく分からない。
なお、造りの良し悪しは(生酒であっても)常温で空気に触れさせて一日放置し、
味のバランスが崩れていないかどうかである程度分かるらしい。
そのうち試してみようかな。
お酒の好みは人それぞれ。
私は「熟成酒」も「生酒」も好き。
冷よりは燗のほうが好みだが、気候によっては冷の方が美味しく感じる時もある。
それぞれのお酒の個性を、それぞれの季節や気分や場面で楽しめば良いのではないか。
そこが日本酒の懐の深いところ。
お店では色々なタイプのお酒をバランス良く揃えしたいものだ。