めっきり寒くなった。
寒くなると人の動きも鈍くなる。
雨の日も多くて、今月はかなり苦戦を強いられた。
週末はすこし予約があるので、ちょっとだけ期待。
さて、今回は福島のお酒。
使用米は岡山県産「雄町」100%。精米50%。
日本酒度±0、酸度1.6。
「あぶくま」という名は当然「阿武隈川」から。
東北地方では「北上川」に次ぎ長い川。
穏やか米の香りと、微かな吟香が立つ。
すっきりしているが、じんわりとした旨みもある。
冷で飲むとちょっと硬い。
温めると、ぬる燗ではすこし刺激を感じた。
常温~人肌が一番まろやかで美味しかった。
ところで、原料米として使われている「雄町」
その特徴はどこにあるのか?
「雄町」は江戸時代末期に発見された、日本最古の原生種。
大粒で心白が球状なので酒造りに適し「山田錦」「五百万石」のルーツでもある。
背丈が高くて倒れやすく、病害虫にも弱いことから、一時は生産が激減。
それでも、近年では生産が回復傾向。
岡山県産が90%以上を占める。
味わいの特徴は…
・ふくよかで丸みのある旨みとコク
・甘みと酸味の調和
・熟成することで旨みが増す…など。
今回は「雄町」の特徴を把握しようと思い、店にあった
「千峰天青 純米吟醸 雄町」
を合わせて試飲。
そして感じたのは…
「雄町」は濃厚で力強く、しっかりした味わいと酒質を感じる。
「山田錦」のほうが、繊細で柔らかい、ライトな印象があった。
形容すると、雄町は男性的で、山田錦は女性的なテイストのイメージ。
なるほど。雄町らしさが少し分かった気がする。
どちらが美味しいかは好みだが、一般的には「山田錦」の方が好まれそうだ。