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シングルモルトに純米酒、そしてカクテル。

『るみ子の酒(三重)』 一通の手紙から生まれたお酒。

明日は春分の日

いよいよ「春」到来だが、今日は朝から雨模様。

気温も低く、冬に逆戻り? まさに三寒四温

体調管理には気を付けたいところ。

 

「春」といえば、生活に変化の起きる季節。

「別れ」と「出会い」の交錯する、ちょっとセンチメンタルになる時期だ。

ウチの娘も専門学校を卒業して、来月からいよいよ社会人の仲間入り。

苦労は多いと思うが、なんとか乗り切って欲しい。

そしていつか一緒に盃を傾けたいと願っている。

 

さて、今回紹介するのはこちら。

るみ子の酒  純米吟醸

三重県伊賀のお酒。

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ネーミングとラベルデザインが特徴的。

 

このお酒は漫画「夏子の酒」の作者、尾瀬あきら氏との出会いから生まれる。

森喜酒造場の森喜るみ子さんが、尾瀬氏に一通の手紙を送ったのが始まり。

 

酒蔵の跡取りとして生を受けたるみ子さん。

父が病に倒れ、急遽、後を継ぐことになる。

その時3人目のお子様を身籠っていた。

 

「これは放っておけない」。

それを聞いた尾瀬氏と親しい蔵元や酒屋さんが、伊賀に飛ぶ。

酒造りのフォローや助言をして、るみ子さんを応援。

また尾瀬氏自身も、お酒の命名やラベルの作成を行うことになりる。

・・・・・

そして生まれた「るみ子の酒」。そしてこのラベルデザイン。

背景を知らないと「狙ってんじゃねぇ?」「パクリじゃねぇ?」と思われそう。

飲み屋の店主としては、そういった部分も含めて、お客様に伝えたいものだ。

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適度な吟醸香

ジューシーな旨みが口一杯に広がったあと、後味が綺麗に優しく切れていく。

 

ぬる燗だとジューシーさが増して甘みを強めに感じた。

米の印象もややはっきりする。

 

冷やだと多少角があるが、温めると角が取れて円やかになる印象。

その分、冷やではすっきり、温ではやや重たく感じられる。

このあたりは、好みだ。

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・・・・・

尾瀬あきら氏と森喜るみ子さんの、素敵な出会いと繋がりから生まれたお酒。

人と人とが出会い、つながること。

そこから生まれる、かけがえのないもの。

そんな目に見えないものに感謝をし、大切にしたいなと、感じさせらた一本である。