ある日のこと。
「アードベッカー (=アードベッグ・マニア)」がやって来た。
男性5人組で合計19杯を飲み干す。
単品のシングルモルトがこんなに出たのは初めてだ。
以前書いたアードベッグの記事。
「スモークヘッド」を紹介する。
スコッチについて、少々。
各蒸留所で蒸留されたウイスキーの原酒は、どんな道を歩むのか?
- その蒸留所で熟成して、蒸留所の名前で出荷される。シングルモルト(オフィシャル)と言われる。
- 熟成業者が原酒を買ってきて熟成。出荷するときは蒸留所の名前を出す場合と、出さない場合がある。これがシングルモルト(ボトラーズ)
- ブレンド業者が色々な原酒を買ってきて、ブレンド。自社のブレンデッドウイスキーとして出荷。
おおむねこの3つ。
そしてこれらがスコッチの奥深さを演出している。
「スモークヘッド」とは?
上記のパターンでは2番にあたる。
熟成業者は、イアン・マックロード社(IAN MACLEDD & CO LTD)。
蒸留所の名前は非公開。
しかし中身は「アードベッグ」だろうと言われている。
そして特徴的なのはボトルデザイン。
ラベルの内側に文字が描かれていて、お酒が入っていると拡大されて見える。
なかなか斬新なデザインだ。
せっかくなので「アードベッグ」と飲み比べを。
香りから。
【ア】
相変わらずのピート香。ドライで軽めの香り。
甘い香りも感じる。
【ス】
アに比べるとよりずっしり来る香り。
熟成した重厚な香りを感じる。
焼けたゴム感もこちらの方が強い。
ストレートで。
【ア】
ピリッと来るアタック。アイラっぽいドライさがある。
鼻腔に感じるスモーキーな含み香。長い余韻。
繊細でデリケート、キメが細かく滑らか。
【ス】
口に含むと円やかな甘み、ドライフルーツやナッツのようなニュアンス。
含み香はスモーキー。余韻もあり。
リッチで濃厚。ジューシーで厚いボディ。
全体的な印象は…
アードベッグの方がアイラらしいドライで乾いた感じ。
より繊細で複雑な味わい。
スモークヘッドは、もっと濃厚で膨らみがある。
アイラとは思えないリッチでジューシーなテイストも。
どちらが美味しいか? と問われると、どちらもおいしい。
ただ「スモークヘッド」は中身を詮索せずに、
「スモークヘッド」というウイスキーとして飲んだ方がいいのだろう。
飲み比べた結果…
「比較してもあまり意味は無い。」
そんな結論になった。
深い森の中を彷徨うようなスコッチの世界。
ゆっくりじっくり時間をかけて彷徨いたいものだ。
※ボトルがリニューアルされている。
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