バーボン好きのT氏。
いつもは一人でやって来るが、その夜は珍しく上司の方と連れ立って来店。
その方は焼酎党らしく、好んで飲んでいたのがこちら。
一口に「麦焼酎」と言っても、そのテイストは千差万別。
スッキリ系から濃厚系、芋を凌駕するクセ者系など…
味の幅はかなり広い。
この「兼八」は濃厚系で、麦の風味をストレートに感じる一本。
創業は1919年。
以来、代々受け継がれてきた伝統の技で、麦本来の味を引き出している。
使うのは、国産のはだか麦に、はだか麦麹(白)。
常圧蒸留。
「はだか麦」
オオムギの一品種で、実と籾が離れやすい。
四国や九州を中心に、食用や家畜の飼料用に栽培されている。
そして裏ラベルを見ると
「精麦歩合65%」の文字。
日本酒の「精米歩合」はよく聞きくが、麦焼酎での表示は見たことがない。
ストレートで。
「麦チョコ」を彷彿させる、香ばしい麦の香り。
なんとも深い甘みと、深い味わい。
鼻に抜ける時にも、香ばしい麦の香りが追いかけてくる。
とにかく、麦の風味が強い。
素材の味を存分に楽しめる、重厚な一本。
水割りで。
とろっとした滑らかな膨らみを、より感じる。
濃厚さ、味の強さは、水割りでも決して失われない。
どこまでも深く吸い込まれていくような旨み。
本格焼酎を飲みなれた上級者向けの焼酎だ。
初心者の方、すっきり系が好みの方にはおすすめできない。
・・・・・
ここ数年ハイボールが人気だ。
ウイスキーが品薄で、価格も高騰している。
こんな時こそ、同じ蒸留酒の「本格焼酎」を見直すべきではないか?
樽熟成していないだけで、基は大差ないのでは?
(樽熟成している麦焼酎もある)
度数が違うとは言え、焼酎の安さは際立つ。
ウイスキーは熟成に時間がかかる為、高価なのは当然。
それでも昨今の高騰ぶりは尋常ではない。
私が言うのも何だが…
コストパフォーマンス抜群の「本格焼酎」
ヘルシー、おいしい「本格焼酎」
この機会にいかがだろう。
なお当方、焼酎業界とは何の利害関係もない。
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