先日、ひとりの若者が飲みにやって来た。
秋田の生まれで、今年大学を卒業。
就職して東京に越してきたそうだ。
他愛のない世間話しをしていると、その彼がポツリとつぶやく。
「実家がうどん屋さんをやってるから、いずれは継ぐんです。」
ほう。
お父さんがうどんを打ってるのかな。
お母さんは接客だろうか。
家族経営のあったかいお店が目に浮かぶ…。
さらに彼は続ける。
「今会社では下っ端だけど、戻ったらそこそこの地位になるんですよ。」
はて?
もしかして超大型のうどん店か?
聞いてみる。
「従業員は何人くらいいるの?」
パートさんが数人いるのが一般的なうどん屋さんのイメージだが…。
しばし考える彼。
そして返ってきた答えが…
「200人くらいですね。」
って、お~いっ!
それはうどん屋さんかっ!?
よくよく聞くと、麺を作っている会社らしい。
それは「うどん屋さん」とはねぇ、普通は言わないよ…。
そんな彼に出会った後は、やはり秋田のお酒を紹介しよう。
近所のスーパーで見つけた一本。
日本酒っぽくないラベルが目を引く。
オシャレなワインボトルのようだ。
説明が英語でびっしり。
まるで英字新聞のよう。
以前は本当に英字新聞に包んで、上に「神月」と書かれたラベルを貼っていたらしい。
「大平山」ブランドで有名な蔵だ。
今回の一本は、59%まで精米した美山錦を100%使用。
生酛造りの純米酒。
日本酒度 +3.5、酸度 1.6。
トロっとした、オイリーな口当たり。
濃厚でボリューム感のある酒質。
適度な酸味もあり、旨口ながら重すぎることはない。
しっかりとした、日本酒らしい酒である。
温めてもイケる。
夜は肌寒くなってきたので燗酒もおすすめだ。
・・・・・
さて、彼はいつ故郷に戻るのか?
まぁ、3年くらいは下っ端でこき使われた方がいいだろうな。
世間知らずのボンボンにならないためにも、ね。