K's MENU Note

シングルモルトに純米酒、そしてカクテル。

『磐城壽(山形)』震災地と飲み手を繋ぐ酒となる。

私はアナログ世代だ。

子供が小さかった頃、世にデジカメは存在しなかった。

故に写真は全てフィルムカメラで撮っていた。

その大量の在庫がこちら。

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この写真の山を、家のプリンター(スキャナー)で少しずつデジタル化している。

一部はすでに劣化しているが、それはそれで移り行く時を感じられる。

あまりの量に遅々として進まないが、まぁのんびりやっていこう。

 

さて、今日は3月11日。

震災から11年を迎えた。

毎年この時期は東北のお酒を紹介している。

今年はまさにこの日に紹介したい一本。

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造るのは鈴木酒造店

元は福島県浪江町にあった蔵元だ。

震災で蔵が倒壊するなど大きな被害を受けた。

その蔵元が縁あって山形県長井市の東洋酒造を引き継ぐ。

そして「鈴木酒造店 長井蔵」として酒造りを再開することになる。

kimama2016.hatenablog.jp

今回の一本はその名も「甦る」

長井市の循環型農業の仕組み「レインボープラン」と

福島県から長井市に避難した方々が運営する「福幸ファーム」

このつながりから生まれた酒米「さわのはな」を原料とする。

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このお酒は避難児童、生徒たちの支援も目的としている。

売上の一部を活動資金や学校図書として寄付するのだ。

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飾り気のない無骨な味わい。

素朴で真っ直ぐ、日本酒らしい日本酒。

キリっとした飲み口の中にフルーティな印象も。

派手さはないが、じっくり味わいたい一本。

軽く温めると微かに米香が立ち、やや膨らむ。

本質は変わらないが温の方が飲みやすいか。

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・・・・・

震災から11年の歳月が流れた。

風化も懸念されるが、あの時の記憶が消えることはない。

被災地の再生復興、そして世界の平和を願いつつ…。