K's MENU Note

シングルモルトに純米酒、そしてカクテル。

『ウルフバーン』スコットランド最北に蘇る一本。

最近スーパーに行くと何か薄暗い。

一部の照明を点けずに営業しているのだ。

なるほど、節電か。

世知辛いなぁ。

 

さて、今回はシングルモルト

ウルフバーン ノースランド

1821年。

スコットランド本島の北の端、ソーサーの街にうまれたウルフバーン蒸留所。

1877年には廃業するという短命の蒸留所だった。

2011年。

その名を受け継いだ蒸留所が再生。

2013年に最初の一滴が流れ落ちた。

モットーは「可能な限り人の手で」

昔ながらの手作業と受け継がれる伝統を重視。

こつこつと自社のシングルモルトを造り続けている。

ちなみに「ウルフバーン」は「狼のいる小川」の意味。

蒸留所のある地はかつて野生狼の生息地だったことから付けられた。

今回の一本は…

蒸留所のフラッグシップとも言えるもの。

2013年にリリースされたウルフバーンの記念すべき最初のボトル。

ラフロイグのクオーターカスクで熟成した原酒を使っている。

 

・・・・・

 

しっとりと深くモルティな香。

フルーティでオレンジピールやナッツのニュアンス。

口に含むとなめらかで穏やかな甘み。

ボディはライト~ミディアム。バランスが良い。

軽やかな中に複雑な香味があり、繊細でデリケート。

アフターにスモーキーな含み香。

 

加水してみる。

穀物や果実の香りが立つ。

ビロードのように滑らかな舌ざわり。

果実のフレッシュな酸味と旨みが広がる。

生き生きとした躍動感が出てきて、その表情の変化が楽しい。

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ウチの店でも節電に励んでいる。

お客様のいる時間だけ照明を点けて、それ以外は営業中でも極力消している。

見栄えは悪いが、今なら「節電のため」で納得してもらえるはず。

焼け石に水かも知れないけどね。

世知辛い世の中になったなぁ。