K's MENU Note

シングルモルトに純米酒、そしてカクテル。ときどき料理。

『ルシアン』隠れマダムキラーとも呼ばれる、甘口のカクテル。2つのレシピを試してみた。

K’s MENU Note

FILE 80

『Russian

 

お盆期間中に来店されたご家族。

お父さんは「バーボン」、お母さんは「日本酒」、息子さんは「芋焼酎」、娘さんは「カクテル」と、それぞれ好みの違うお酒を飲まれていました。

 

それぞれ紹介したい品があるのですが、特に娘さん、普段は滅多に出ないショートカクテル「ルシアン」を注文されましたので、こちらを紹介します。

 

 

カクテル「ルシアン」とは?

 

アルコール度数が高い割りに、カカオリキュールを使うので甘口のテイスト。「隠れたマダムキラー」とも呼ばれるカクテル。

 

スタンダードなレシピは…

 

ウオッカ 20ml

ジン 20ml

カカオ(ブラウン)リキュール 20ml

シェークして、カクテルグラスに注ぐ。

(お店ではこのレシピでお出ししてます)

 

f:id:kimama2016:20170818000809j:plain

 

f:id:kimama2016:20170818000847j:plain

 

 

 

 上田和男さんの「ルシアン」。

 

もうひとつ、レシピがあります。

自分がリスペクトするバーテンダー、上田和男さんのレシピです。

 

ウオッカ 30ml

ジン 20ml

カカオ(ブラウン)リキュール 10ml

ステアして、カクテルグラスに注ぐ。

 

カクテルテクニック

カクテルテクニック

 

 

 

上田さんは「ハードシェイク」というテクニックを確立した第一人者。

カクテルを柔らかく丸みのある味わいにする「気泡」を作ることを、ハードシェイクの最終目的と語ります。

 

そして「ハードシェイク」に向く素材として、「クリーム」「果汁」を挙げ、向かない素材として「スピリッツとリキュールなど、酒類のみの組み合わせ」を挙げています。気泡は出来るが、維持するのが難しく、短時間で消えてしまうとのこと。

 

この「ルシアン」が該当します。

 

そこであえて「ステア」を選び、バランスも調整。「ルシアン(ロシアン?)」の名とドライ志向からウオッカ比率を高め、その分カカオを減らしています。

 

f:id:kimama2016:20170818001133j:plain

 

実際に両方の処方で作って、味を見た。

 

最初にスタンダードレシピの方。

 

アルコール度数は32~33度くらい。

度数の割りにはカカオの甘味で優しい味わいになっています。

シェークの効果もあり、感覚的には20度くらいのお酒を飲んでる気がします。

(「マダムキラー」の名の通り、飲みすぎると危険そう)

 

そして…確かにシェークした柔らかい感じが続かないですね。

すぐに、ステアで作ったようなクリアな口当たりに変化します。

 

 

次に上田さんのレシピ。

 

アルコール度数はさらに上がって37~38度くらい。

ファーストノートはシェークと大きく変わりませんが、アルコール感はグッときます。

よりドライで、甘さ控えめ。大人の味わい。

 

 

どちらが美味しいかは……好みですね。

 一般のお客様には、スタンダードレシピのほうが安心感があります。

 

いずれにせよ…「飲みすぎ注意!」です。

 

 

 

本日もお読み頂き、ありがとうございます。

 

『ゆきの美人』全量「雄町」で仕込んだ純米吟醸酒。あの「山田錦」もこの米から生まれたのです。

K’s MENU Note

FILE 79

秋田『ゆきの美人 純米吟醸 雄町

 

今回は、つい先日売り切れてしまった日本酒を紹介します。

ゆきの美人 純米吟醸 雄町」

f:id:kimama2016:20170817000123j:plain

 

ゆきの美人は、以前「純米大吟醸」を紹介しました。

kimama2016.hatenablog.jp

 

「雄町」酒造好適米のひとつで、その多くが岡山県で栽培されています。

有名な山田錦」「五百万石」も「雄町」の系統です。

「雄町」は栽培に手間がかかり難しいため、生産量が減少したとき「雄町」を品種改良した山田錦が台頭しました。

なお「雄町」はその後復活して、作付面積も増加傾向にあります。

 

・・・・・

 

スペックは、精米歩合55%、日本酒度+3、酸度1.9、岡山県産雄町100%の純米吟醸酒です。

 

味は…。売り切れてしまったので、以前テイスティングした時の記憶で書きます。

開栓後、しばらくは発泡感があり、舌にピりっとくる感じが印象的でした。

最初に酸味を感じます。その後、旨みが広がって、後味さわやか。

とても綺麗な酒質ですね。

 

 

日本酒の保管方法について。

 

ところで、ウチの店では日本酒は冷蔵庫で保管してます。

かさばるので、量が少なくなったら、900mlのボトルに移し替えて保管します。

こんなボトルを用意してます。

f:id:kimama2016:20170817000314j:plain

 

酒質がデリケートなので、特にこの時期は必ず冷蔵庫で保管しています。

 

ところが、最近読んだ本に、驚きの事実が…。

 

 

日本酒の熟成について。

 

世界一旨い日本酒 熟成と燗で飲る本物の酒 (光文社新書)

世界一旨い日本酒 熟成と燗で飲る本物の酒 (光文社新書)

 

 

この本によると、たとえ「生酒」であっても、常温で保管することで熟成が進み、旨みが増す。ただし、発酵が完全で、しっかりとした造りの日本酒に限る、とのこと。

 

その仕組みは、詳しくは書きませんが、「生酒」を「常温」で保管して「熟成」させるなんて、想像しても見なかった。

生酒は、だいたい「要冷蔵」と書いてあるし。

 

常温だと「熟成」と「劣化」が同時に進み、しっかりした造りであれば、熟成による旨みのほうが勝るらしい。

 

なるほど。

でも…、試してみる勇気は無いですね(笑)

怖いです。ちょっと賭けみたいなところがありますので。

 

 

ちなみに「熟成に向く」かどうかは、燗をしてみると分かりやすいとのこと。

これで味が崩れないで、さらにバランスが良くなっていれば、しっかりした造りと判断できるらしい。

また、開栓して常温で1日放置、翌日飲んで見て、味がよく乗り、飲みやすくなっていれば同様。

 

気になる方は(あくまでも自己責任で)やってみて下さいね(笑)

 

・・・・・

 

ゆきの美人」の話しから、だいぶ逸れてしまいましたが…。それ以外にも、いろいろと勉強になることが書いてあったので、後日紹介致します。

 

本日もお読み頂き、ありがとうございます。

 

『ウッドフォード リザーブ』ケンタッキー州最古の蒸留所が生み出す、スモールバッチ・バーボン。

K’s MENU Note

FILE 78

『Woodford  Reserve

 

お盆休み期間中の営業。

12日、13日と、普段あまり出ない種類のお酒が、いろいろと出ました。

中でも多かったのが「おすすめのバーボンをロックで」というオーダー。

その都度セレクトしてお出ししましたが、その中から1品、紹介します。

 

「ウッドフォード リザーブ

ケンタッキー州最古の蒸留所が生み出す、スモールバッチ・バーボン。

バーボンでは珍しく、単式蒸留機で3回蒸留して造られます。

アルコール度数は、43度。

f:id:kimama2016:20170814000828j:plain

f:id:kimama2016:20170814000845j:plain

ボトルがカッコイイですね。

シンプルでありながら、デザイン性が高い。

かなり薄っぺらい形のボトル。

カッコイイが、扱いずらいです(笑)

 

 

テイスティングして見ます。

 

ショットグラスにストレートで。

以前書いた「ベイカーズ」ほどではないが、舌に吸い付くような甘みを感じます。

甘いだけではなく、バーボンらしいピリッと来る香味も感じますね。

全体的には、円やかで滑らか、バランスのとれた味わい。

荒々しさは影を潜めています。

 

氷を1個、入れて見ます。

「ノブクリーク」の記事で「ロックもいいかも」と書きましたので、氷を入れて見ます。

しばらくすると、ウイスキーが冷えてきました。

氷が溶けて度数は少し下がっているのでしょうが、円やかさは減っている様子。

とんがった味が強まっています。

最初に感じた甘みも、ほとんど感じられません。

残念ながら、氷を入れることによって、このウイスキーのおいしさが半減しています。

 

 

やはりウイスキーに氷は不要なのか?

 

もともとウイスキーには氷を入れない主義でした。

今回、氷を入れてみて感じたこと。

お酒の温度が下がることで、味わいがとんがってくる。

円やかな甘みが感じられなくなる。

甘み体温に近い温度で、もっとも強く感じられる)

本来のおいしさが、かなり損なわれている気がします。

 

個人的には、チェイサーをうまく使いながら、ストレートでちびちび。

ウイスキーの味をじっくり楽しむなら、これが一番いいと思います。

 

 

ウイスキーの本当の魅力を伝えたい。

 

お店でウイスキーが出る場合、9割がハイボール、1割弱がロック。

それ以外はほとんど出ません。

(居酒屋なので致し方ありませんが)

 

これではなかなか質の高いウイスキーの、本当の味わいを、感じてもらえない。

もどかしいところですが、飲み方はお客様の自由です。

 

自分としてはウイスキー少しでも興味を持ってもらえるような取り組みをしていきたい。ひとりでも多くの方に、ウイスキーの魅力に気づいて頂けたら嬉しく思います。

 

 

 

本日もお読み頂き、ありがとうございます。