ある夜のこと…。
サラリーマン風の男子がやって来た。
時間はまだ宵の口。
最初はビールか?ハイボールか?
「ジャック・ダニエルを下さい」
「えっ?あ、はい。飲み方は?」
「ストレートで」
あれれ、予想が大外れだ。
結局、他のものは一切飲まず、ジャック・ダニエルをストレートで4杯!
失恋か??
というわけで?今回はこちら。
米国のウイスキーは一般的に「バーボン」と呼ばれる。
法律での定義は…
「原料の穀物中にトウモロコシを51%以上含み、アルコール度数80度以下で蒸留し、内側を焦がしたホワイトオークの新樽で、アルコール度数62.5度以下で熟成したもの」
では、ジャック・ダニエルも「バーボン」か?
米国のウイスキーなので「バーボン」という認識で、間違ってはいない。
ただ、ラベルを見ると
ジャック・ダニエルは「Tennessee WHISKEY」
他のウィスキーは「BOURBON WHISKY」と表記されている。
さて?
バーボンとの違い①
対してジャックは、テネシー州で造られている。
それを差別化するための「Tennessee WHISKEY」の表記。
(バーボンの定義に産地の規定はない)
だから大きく捉えれば「バーボン」
その中の「テネシーウイスキー」というひとつのカテゴリーと言える。
バーボンとの違い②
製法はバーボンとほとんど同じ。
ただテネシーウイスキーには「チャコール・メローイング」という工程がある。
サトウカエデ(メープル=メープルシロップの原料)の木炭でゆっくり濾過する。
ここがバーボンの違いで、円やかな甘みに繋がるのだ。
【思い出されるシーンが…】
米国風パブのような店に立ち寄ったおじさん。
ジャック・ダニエルを注文する。
「バーボンを飲むの、久しぶりだなぁ」
そこに居合わせた米国人ぽいお客さんが一言。
「ジャック・ダニエルはバーボンじゃない!」
「えっ?バーボンじゃないの?」
さすがに本場の人に言われたら、引き下がるしかないが、納得いかない様子。
外人さんもそれ以上説明しないものだから、なんかモヤモヤした感じで進んでいく…。
おじさんは徳光和夫さん。
路線バスに乗って各所を巡る番組の1シーン。
それくらい、このあたりの認識は曖昧で、店でも無理には説明していない。
でも地元(テネシー州)でジャックを「バーボン」と言うと怒られるらしいのだ。
「いばらぎ」と言うと、地元の人に怒られるのと同じかな。
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