Ichiro's Malt とは?
肥土(あくと)伊知郎氏が創立したベンチャーウイスキー社のブランド。
伊知郎氏は埼玉県羽生市にある実家の造り酒屋でウイスキーを造っていた。
しかし1990年代後半に経営が傾く。
2000年に引き継ぐが、2004年に蒸留所を売却。
原酒を福島県の笹の川酒造に預かってもらい、同年にベンチャーウイスキー社を設立。
2005年5月からボトリングを開始。
羽生蒸留所の原酒をもとに、Ichiro's Malt が誕生した。
2007年に新たに秩父蒸留所を建設。
秩父蒸留所は、スコッチの造り方を踏襲した小規模な蒸留所。
特徴として…
- ほとんどの工程が手作業。熟成樽の製造から、ボトリング、ラベル貼りまで全ての作業を蒸留所内で行う。
- 発酵槽にはミズナラを使用。ミズナラは日本産のオーク材で、熟成用の樽に使われるが、発酵槽に使うのは珍しい。
- 100%秩父産に挑戦。原料の大麦は地元農家に栽培を依頼。麦芽も自社で製造。今後は秩父産のミズナラやピートの使用にも挑戦するらしい。
Ichiro's Malt には…
などのラインナップがある。
今回紹介するのは「リーフシリーズ」モルト&グレーン、ホワイトラベル。
いわゆるブレンデッドウイスキーだ。
アルコール度数46%。
自然の状態にこだわっていて
ノンチルフィルタード(冷却ろ過無し)、ノンカラー(無着色)で出荷されている。
ノンカラーらしく薄めの黄褐色。
ストレートで。
軽くてドライ、クリアな酒質。
甘みもあるが、大人しい甘さ。
余韻は短く、後味もすっきり。
深みや奥行はあまり感じない。
トワイスアップで。
アルコールに隠れていた穀類感や、微かな果実感が現れる。
フワッとした軽い飲み口。
なめらかで優しい口当たり。
しっとりと落ち着いた旨み。
身体にすぅーと染み入るような、優しさを感じる。
バーボンやスコッチを飲んで感じる異質感(良い意味での)は皆無である。
もちろんアイリッシュやカナディアンのライトでクリアな感じとも異なる。
国内産のウイスキーで、日本人の身体にフィットするのだろうか?
なにか懐かしいような、郷愁をそそられるような、不思議な感覚のある一本だ。
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