K's MENU Note

シングルモルトに純米酒、そしてカクテル。

『謙信(新潟)』ひと夏を越えて丸みを増した一本。

今週のお題「秋の空気」 

 

飲み屋をやっていて「秋」を感じるのはどんな時か?

 

夕方5時の開店時間。

シャッターを上げると、外が薄暗くなっている。

「真夏は7時頃まで明るいのに…。もう秋だなぁ。」

毎年のこととは言え、この変化は目に留まる。

気温が下がって嬉しい反面、なぜかもの悲しかったりもする。

 

もうひとつ。

日本酒のひやおろしが出回って来たとき。

実際には7月頃から出始めるがメインは秋。

「秋あがり」とも呼ばれる所以である。

 

今年も何本か入れたが、その中から一本紹介する。

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造るのは、新潟県糸魚川市にある池田屋酒造

使用米は五百万石とこしいぶき

精米50%。

日本酒度+1、酸度1.5。

無濾過で瓶詰め後、火入れを行い貯蔵。

ひと夏を越して出荷される「ひやおろし」だ。

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微かにフルーティな吟香。

全体に綺麗でスッキリした味わいだが、適度に膨らみや丸みがある。

しっとり染み入る味わいで、後味は清らか。

アルコール度数17度とちょっと高めだが、それを感じさせない軽やかさもある。

夏に飲んでも美味しそうだ。

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絞ったばかりの酒は荒々しいが…

ひと夏を越して円やかに落ち着いてくる。

 

そんな風に変わるのは、何も酒に限った話しではない。

競馬の馬も夏に急成長するのがいる。

こちらは「秋あがり」ではなく「夏のあがり馬」と呼ばれる。

 

今日は「菊花賞」。

毎年、この時期のGⅠレースを迎えると…

「秋」を感じることになる。

 

馬券の方も「秋あがり」になれば言うことなし、なのだが…。