K's MENU Note

シングルモルトに純米酒、そしてカクテル。

『梵(福井)』氷温熟成の奥深さ、ここにあり。

「時不知(ときしらず)」と呼ばれるをご存じだろうか。

鮭は本来秋になると産卵のために遡上するのだが、稀に5,6月に戻って来るものがいる。

産卵を終えた秋鮭と異なり、丸々太っていて脂乗りも最高。

そんな鮭を人は「時不知(ときしらず)」と呼ぶ。

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造るのは、福井県鯖江市にある加藤吉平商店

日本酒製造を始めたのは1860年

 

蔵には【3つのこだわり】がある。

無添加純米酒だけを、変わらぬ手造りで。

創業から変わらぬ手造り。余分な添加物は一切加えていない。

②国内トップクラスの磨きで、澄きとおった味わいを。

自家製米で、平均精米歩合は34.5%。雑味のない味わいを実現。

③氷温熟成で、芳醇な香りとなめらかな口当たりを。

全てのお酒をマイナスの温度帯で1~10年、熟成させる。

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今回の一本は…

兵庫県産特A地区の山田錦と、福井県産の五百万石を使用。

精米55%。

氷温で5年間熟成された純米吟醸酒

「時を忘れるくらい旨い」ことから「ときしらず」と名付けられている。  

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強すぎない熟成香。

爽やかな酸が酒の輪郭をつくる。

氷温熟成の効果だろうか…

真ん中に近づくにつれ、円やかで濃厚な旨みに触れる。

後味のキレはスムーズ。

旨みの余韻を残しながら、ゆるやかに消えていく。

 

軽く温める。

酸の輪郭がよりはっきりする。

芯の通った酒質で、温めてもバランスは崩れない。

 

酒だけで飲むと強めに感じる酸だが

料理と合わせると、その酸が円やかになり料理を包む。

新鮮な魚介とともに味わいたい一本だ。

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・・・・・

「時を忘れる」

いったいどんな場面だろう。

近年の私にとっては「気心知れた人と共にする酒の席」である。

卓を囲んで酒を飲み、うまい料理をつまむ。

自然と会話もはずんで「時間が飛ぶ」感覚を味わう。

まさに時を忘れるほど楽しいひとときがそこにはある。

 

しかし今はコロナで自粛だ。

もちろんリモートでこの感覚が味わえるとは思えない。

いつかまた、心から楽しめる時が来ることを願っている。

 

 

えっ、終わりっ!?

どうした? まじめかっ!?

暑さでとち狂ったかっ??