連続で日本酒を紹介する。
前回の「天狗舞」と同じく、石川県白山市にある「小堀酒造」のお酒。
「天狗舞」と比べるとマイナーな印象だが、創業は江戸享保時代の老舗である。
明治中期に萬歳楽と名付けられた。
その名は「永遠の(萬歳)豊かさ(楽)を願う」との意味。
「ずっとハッピー」
楽しくめでたい席にふさわしい酒。
それが「萬歳楽」
300年の歴史を持つ蔵だが、2001年に最新の設備の蔵を新設。
平成26年、能登杜氏の現役2トップの一人、家修(いえおさむ)氏が杜氏に就任。
数々の受賞歴を持つ、名杜氏である。
杜氏(とうじ)とは
ざっくり言うと「酒造りの最高責任者」のこと。
酒は自然のはたらきを利用しながら、繊細で複雑な工程を経て造られる。
この技術を継承してきたのが「杜氏」だ。
近年は技術の発達により、日本酒造りも機械化やコンピューター管理が進んでいる。
しかし日本酒は「自然の営みを利用」して造るもの。
やはり経験豊富な杜氏の技術や勘が重要なのは変わらないだろう。
一部には杜氏を置かない蔵もあるが、個人的には、
自然の営みをすべてコンピューターで管理できる訳がない、と思っている。
杜氏はその土地の杜氏集団に属していて、蔵に派遣されるかたちをとる。
(蔵の人がそのまま杜氏を務めるケースも多くなっている。)
そして、それぞれの杜氏集団によって、造りや味に特徴がある。
「能登杜氏」の醸す酒は、味が濃くしっかりしていると言われている。
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今回のお酒はこちら。
原料米は、地元産「五百万石」
精米60%。
日本酒度+7。
酸度1.7。
金沢酵母使用。
金沢酵母は、生成される酸が少ないので、仕上がりが綺麗な味になる。
吟醸酒本来の香りを出すのに適している。
試飲してみる。
強すぎず、優しい吟香が漂う。
ジューシーでしっかりした味わい。それでいて重すぎない。
無濾過生原酒、度数18度にしては飲みやすく、後味もスムーズ。